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医療費をローンなど分割で支払っても、医療費控除は適応出来る?

ドクターコラム/2017年3月16日

インプラントや矯正治療、セラミックの治療などでは、保険外の治療なので、医療費をローンで支払う事が可能な歯科医院も増えてきました。
医療費が高額になった場合には、年間所得によって医療費控除をする事が出来ます。
医療費をローンで支払った場合には医療費控除が適応する事が出来るのか、そしてどの様な手続きになるのかまとめてみました。

医療費控除とは

医療費控除とは1月1日から12月31日までの1年間で年間の世帯支払額が10万円を超えた場合と年収200万円未満の方は所得に対して5パーセントの医療費を支払った場合に税務署で申告して、収めた税金の1部が還付される制度です。
その年に申告をし忘れてしまっても、5年前までさかのぼって申告する事が出来るので、医療費の領収書は保管しておくと良いです。
医療費控除の対象には医療用のローンを利用した場合でも対象になります。
歯科のローンの場合には、信販会社が立て替えた金額がその年の医療費控除の対象となってきます。
その場合の申請書類としてはまだ領収書が無い場合があるので、医療費控除を申請する際の書類として契約書の写しを添付して申告する必要があります。

医療費控除の対象

医療費控除の対象となる治療は色々なものがあります。
保険内の治療が医療費控除の対象と思われがちですが、保険外のインプラントやセラミック、入れ歯なども対象になってきます。
矯正治療に関しては、噛み合わせに問題がある場合と診断された時にのみ適応が可能ですが、歯科医師の診断書があれば医療費控除の対象になってきます。
また、歯科医院に通う際の交通費(バスや公共交通)も含まれますし、通院が困難な場合には、タクシーの領収書も対象になります。
公共交通期間は領収所が無い場合もあるので、乗車区間と日付のメモでも認められます。
また保険治療の際の虫歯治療、歯周病の治療、親知らずの治療などももちろん対象になってきます。

医療費控除のメリット

医療費控除のメリットとしては、まず還付金が返ってきます。
還付金額は年収別に税率が決まってくるので、その家庭によって違いますが、200万円以上の世帯年収の場合には、例えば50万円医療費がかかった場合には、翌年の住民税が40万円控除されます。
その他に還付金は40万円×5パーセントから33パーセントの税率で計算された金額が返還されます。
医療費控除を申請してから約1か月程度で還付金が返還されます。
医療費控除をすると還付金が返ってくる事以外に、その他に翌年の住民税に影響がある場合があるので、医療費控除は申告した方がお得です。

医療費控除の手続きについて

医療費控除には必要な書類があるので、予め知っていた方が医療費控除の申請をしやすいです。

・医療費の領収書

・診断書

・医療ローンの契約書の写し、信販会社の領収書(医療用のローンの方のみ)

・源泉徴収票(会社員の方)

・印鑑(税務署で行う方)

・確定申告書

が必要になってきます。

また申告する方法はe‐Taxや住民票の税務署、郵送の場合には住民票のある税務署宛てに郵送で申告する事も可能です。

申請時期は毎年2月16日から3月15日の確定申告の時期に決まっています。
1か月の申請期間がありますが、予め高額になりそうであれば準備をしておくとスムーズに申告する事が出来て良いです。
また、申告の時期に間に合わなくなってしまってもさかのぼって5年まで申告する事は可能です。

医療費控除のポイント

単身赴任などで住まいが違っている場合でも生計が一緒であれば医療費控除の対象になってきます。
また共働きなどで扶養の範囲から外れていても、医療費控除の対象になるので、しっかりと領収書を保管しておくと良いです。
還付金は年収別なので、年収が高いほど還元率が高くなっています。
歯科の領収書だけでは無く、交通機関などの交通費も申告出来るので、日付や区間などは時間が経ってしまうと忘れてしまって申告しないでしまう事もあるので、家計簿やノートなどに医療費控除用にまとめておくと、申告の時に分かりやすいです。

インプラントを数多く扱っている歯科医院や矯正の歯科医院では医療費控除の事を相談すると教えてくれる所もあるので、治療計画を立てる際などに医療費控除の事を確認しておくと安心です。

保険外の治療によってインプラントやセラミック、色々な材質の入れ歯など選択肢も沢山増え
てきました。医療用ローンも使用する事が出来るので、出来るだけ患者様の希望の治療を選択出来る様に歯科医院も色々相談に乗ってくれる様になっています。
保険外の治療が高いからあきらめてしまうと考える前にどの様な方法があるか確認して検討してみると満足度の高い治療を受ける事が出来ます。
またお口の環境は食事の際やお話をする際の審美性、毎日の事で長く付き合っていく事になるので、長い目で見てどの様な治療が良いのか選択してあげるとストレスの少ない口腔内の環境を整えてあげる事が出来ます。

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