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インプラントの寿命はどのくらいなのか?寿命を延ばす方法は?

ドクターコラム/2018年9月3日

失った歯の機能を回復させる治療法のひとつであるインプラントは、入れ歯やブリッジと比較した場合、いったいどのくらい持つのでしょうか。またインプラントを長持ちさせるポイントについても併せてご説明いたします。

■インプラントの寿命とは?

インプラントで使われている素材は純チタンまたはチタン合金で、人体との親和性に大変優れています。アレルギーの心配もほとんどなく、半永久的に使用できる素材であると言えます。 また上部構造という人工歯の部分はセラミックやジルコニアセラミックで作られているため、虫歯になることはありません。 このような特性を持つインプラントを適切に使用した場合、その寿命は平均して10年と言われています。中には40年以上使用したケースもあると言われており、インプラントを適切に使うことで、非常に長く使えることを証明しているものと言えるでしょう。

 

またインプラントメーカーによっては、10年保証をつけているところもあります。細菌ではガイドデントというインプラント保証会社がインプラント治療に対して10年保証を確約するシステムもあります。メーカーや保証会社のこうしたシステムから考えて、インプラントは寿命の長い治療法であることがおわかりいただけると思います。

■入れ歯やブリッジの寿命について

では入れ歯やブリッジの寿命はどのくらいなのでしょうか。保険適用で安価に治療できる入れ歯の平均寿命は5年、ブリッジの平均寿命は8年程度であると言われています。

入れ歯の場合、骨が吸収されやすいため次第に合わなくなり、何度も調整が必要になります。

 

特に総入れ歯は顎の骨の吸収が著しく、すぐにガタガタし始めてしまいます。入れ歯安定剤などを使うことで一時的に症状は改善されますが、またすぐに合わなくなり、何度調整を行ってもすぐに落ちてしまうため、結局は短い周期で作り替えることになってしまいます。

■インプラントを長持ちさせるためには?

比較的寿命が長いインプラントですが、取り扱い次第でその寿命は大きく変わってしまいます。せっかく高額な費用を出して治療したにも関わらず、インプラントが快適に使えなくなってしまっては水の泡となってしまいます。ではインプラントを長持ちさせるためには何に気を付けるべきなのでしょうか。

・お口の中の衛生環境に気を付け、歯周病にならないようにする

インプラント治療後に最も気を付けなければいけないことは、お口の中の環境を常に清潔に整えることです。インプラント治療後に最も起こりやすいトラブルは、歯周病菌によるインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎になると歯ぐきの腫れや出血が起こり、そのまま放置するとインプラントがグラグラし始めて、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。これはインプラント周囲に付着した汚れが原因で歯周病菌が侵入し、やがて歯槽骨を吸収するためにインプラントを支えることができなくなるのです。

 

インプラント周囲炎にならないためには、お口の中を清潔に保つことが最も重要です。特に歯周病が原因で歯を失った場合、インプラント周囲炎になるリスクは非常に高いため、常にお口の中の衛生環境に気をつけておかなければいけません。

・定期的なメンテナンスを受ける

インプラントの寿命のカギとも言える歯科医院でのメンテナンスでは、家庭でのセルフケアでは落としきれない汚れを専用の器械を使って落とし、歯周病およびインプラント周囲炎を予防します。そしてインプラントや噛み合わせに異常はないかなどを確認する定期メンテナンスは、インプラントを長く使うためにとても重要です。

・健康に気を付け、糖尿病などにならないよう心がける

歯周病と生活習慣病は相互関係にあると言われており、特に糖尿病は歯周病と密接な関係にあると言われています。インプラント治療後は歯周病菌が関わるインプラント周囲炎に気を付けなければいけません。規則正しい生活を送り、生活習慣病にならないこともインプラントを長持ちさせるために大切なポイントです。

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