ドクターコラム

> インプラント1回法・2回法のそれぞれの違いを解説

インプラント1回法・2回法のそれぞれの違いを解説

ドクターコラム/2017年3月20日

インプラントの手術の方法には1回法と2回法の2つがあります。
患者様の状態によってどちらが良いか選択していくのですが、それぞれの違いはどの様な所にあるのでしょうか?
インプラントの外科手術の歯肉の切開を1回で行うか2回かの違いがあります。
1度で済むのであれば1回法が良い様な気がしますが、それぞれに特徴があります。
2つの違いをまとめて比較してみました。

インプラント1回法について

インプラントの1回法は、インプラント手術を行った際にインプラントの一部を歯肉の上に出しておき、骨との定着期間を待ったのち、上に歯を作っていくという方法です。

1回法のメリット

メリットとしては歯肉を切開する必要が無いので、患者様の負担が少ないという事です。

ただ、骨が十分にあって定着の状態が良い事が条件になってくるので、どの患者様も可能な方法というわけではありません。
2回法に比べて、歯肉の中で定着を待つ事によって食事などをした際に汚れが付いたりする事が無く、感染のリスクが多少あると言われていましたが近年ではインプラントの定着に大きな差が無くなって来ていると言われているので、心配が少なくなっていると言われています。

その他では、GBRなどの骨再生をする際には2回法に比べると少しリスクが高いと言われているので、患者様の骨の状態などを確認して決めていきます。

GBR法についてはこちら

1回法で使用するインプラントにも種類があり、アバットメントと呼ばれるインプラントと歯を固定する為の支台が一体型のものと、インプラントと支台が別々になっているものがあります。
一体型だと強度に優れている点やインプラントに直接人工歯をセットするので、手術の時間を短縮する事が出来るなどのメリットがあります。

1回法のデメリット

デメリットとしては、人工歯の形態を取り換える事が出来ないという事があります。
インプラントと支台が別々の物に関しては、清掃性が高い事があげられます。
デメリットとしては、粘膜が厚いケースであったり、審美性を重視する場合には2回法の方が良い場合もあります。

インプラントの2回法について

2回法の特徴としては、インプラントを骨に埋め込んで定着するまでの間、歯茎の中で待つ事です。

感染のリスクはより少ないと言われていますし、骨が少ない場合にも適応する事が出来るので、インプラントの治療をする患者様のほとんどに治療する事が出来ます。
また感染のリスクが大きい口腔内の患者様では1回法より、2回法の方が適していると言われているので、その辺の判断もしながら決めていく事もあります。

インプラントも患者様の歯と同じで歯肉の周りに歯石や細菌が付いてしまうと歯周病の状態になってしまってインプラントの持ちが悪くなってしまったり、ひどい場合にはご自身の歯を同様にグラグラしてしまう原因にもなってしまいます。
自宅でのプラークコントロールもとても大切なので、インプラント治療する前にクリーニングや自宅でケアをしっかり行う事が出来る様にブラッシングの仕方なども行っていきます。

2回法のメリット

1回法は工程も2回法に比べて少ないですし、部品も少ないという点から費用を抑える事が出来るという点があります。
また、歯肉を切開する必要が無いので患者様の負担も少なくて済みます。

2回法のデメリット

人工歯や仮歯が入るまでの期間が1回法に比べて長くなってしまうという点もあります。

どちらが適しているかは患者様次第

インプラントの術式は患者様の骨の状態や口腔内の状態によってドクターが判断して決めていきます。
どの治療にもメリットデメリットがありますが、インプラントは外科手術なので、治療計画の際に気になった事などは確認しておくと、ご自身にしっかりと合った治療を選択する事が出来ますし、満足度も高くなってきます。

インプラント治療は保険外の治療なので、その歯科医院によっても、メーカーが違ったり、使っているシステムが違う場合があります。

その歯科医院に通っている間は対応する事が出来ても、転居しなければならない場合や歯科医院に通う事が難しくなってしまって、転院しなければならない場合など、一般的の普及しているインプラントかどうかを確認しておくと安心です。

またインプラントのメーカーが違う場合にはパーツや器具が合わない場合もあるので、中を確認したい場合でも難しくなってしまう事があります。
インプラント治療をする際には自分がどのメーカーのインプラントか把握しておく事も大切です。

治療に関してもどの様な治療なのか分かっておくだけで不安感は大分解消されます。

インプラントは手術をして終わりという事は無く、定期的に検診をして、噛み合わせに問題が無いかや、汚れに弱い面があるので、しっかりとしたクリーニングをする事も大切です。定期的に確認する事で口腔内の環境も良い状態が保てますし、何か不具合があった場合にも小さなうちに解決する事が出来るので、メインナンスはとても重要です。

MENU