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あまり知られていないインプラントのリスクとデメリット

ドクターコラム/2018年9月10日

インプラントは機能面、審美面ともに入れ歯やブリッジと比べて比較的メリットの多い療法です。しかしどの治療にもデメリットはつきもので、インプラントにもやはりデメリットやリスクを持ち合わせています。ではインプラントにはどんなデメリットやリスクがあるのでしょうか。

■インプラントの優れているところについて

インプラントは、失った歯の機能回復手段のひとつで、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着して噛む機能を取り戻す治療法です。

インプラントは見た目が美しく、天然歯に近い自然な噛み心地が入れ歯やブリッジよりもはるかに優れています。また他の歯を治療する必要がなく、他の歯にダメージを与えることがまずありません。そのため他の歯の健康を守ることができることも非常に優れているところです。

■インプラントのデメリットとリスクについて

ではインプラントのデメリットやリスクはどういったところでしょうか。

・外科手術を必要とするため、誰でも受けることができるとは限らない

・保険適用外のため、高額な治療費が必要

・治療期間が長くなる

・血管や神経を傷つける可能性がある

・定期メンテナンスを受けないと、インプラント周囲炎のリスクが高まる

インプラントの大きなデメリットは、外科手術を伴うことです。入れ歯やブリッジは外科手術を行うことなく治療を進めていくことができます。しかしインプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込むための手術が必要です。そのため持病をお持ちの方や何らかの理由で主治医から手術を止められている方は、インプラント治療を受けることができません。

費用が高いことも、インプラントのデメリットです。入れ歯やブリッジは保険が効きますが、インプラントはごく一部の症例を除き、全額自己負担となります。そのため高額な治療費が必要となり、経済的に負担がかかることも大きなデメリットでしょう。

また入れ歯やブリッジと比べてインプラントは治療期間が長くなってしまいます。保険治療は1か月程度で噛む機能を回復することができますが、インプラントは顎の骨とインプラント体が結合するための安静期間が必要となります。治療期間は部位にもよりますが、治療終了まで3か月~10か月程度治療期間が必要となり、その間は歯がない状態で過ごすことになってしまいます。

インプラントのリスクは、外科手術による血管や神経の損傷、そして治療後に起こるインプラント周囲炎が挙げられます。

顎の骨には神経や血管がたくさん通っているため、慎重に手術が行われなければいけません。しかし何らかの原因で血管や神経が傷付いた場合、大出血や麻痺が起こりかねません。

入れ歯やブリッジは技工物が「合わない」だけで済みますが、インプラントはこのようなリスクを持ち合わせている治療法であることを知っておくべきでしょう。

もうひとつのリスクは、インプラント周囲炎です。

インプラント周囲炎とは、歯周病菌によりインプラント周囲の歯ぐきに腫れや出血が起こる症状です。インプラント治療後は定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると口腔内が不衛生な状態になりやすく、インプラント周囲にプラークが溜まって歯周病に似た症状が起こってしまいます。症状が進行すると、歯周病と同じように顎の骨が吸収されはじめ、インプラントが緩んでしまいます。最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。

■デメリットやリスクもしっかりと把握したうえでインプラントを検討しましょう

インプラントは歯の健康を考慮した優れた治療法です。しかし入れ歯やブリッジにはないデメリット、そしてリスクも持ち合わせていることを理解しておく必要があります。 インプラントを検討している方は、まず信頼できる歯科医院を選び、納得をしたうえでインプラント治療を受けるようにして下さい。

インプラントの寿命はどのくらいなのか?寿命を延ばす方法は?

ドクターコラム/2018年9月3日

失った歯の機能を回復させる治療法のひとつであるインプラントは、入れ歯やブリッジと比較した場合、いったいどのくらい持つのでしょうか。またインプラントを長持ちさせるポイントについても併せてご説明いたします。

■インプラントの寿命とは?

インプラントで使われている素材は純チタンまたはチタン合金で、人体との親和性に大変優れています。アレルギーの心配もほとんどなく、半永久的に使用できる素材であると言えます。 また上部構造という人工歯の部分はセラミックやジルコニアセラミックで作られているため、虫歯になることはありません。 このような特性を持つインプラントを適切に使用した場合、その寿命は平均して10年と言われています。中には40年以上使用したケースもあると言われており、インプラントを適切に使うことで、非常に長く使えることを証明しているものと言えるでしょう。

 

またインプラントメーカーによっては、10年保証をつけているところもあります。細菌ではガイドデントというインプラント保証会社がインプラント治療に対して10年保証を確約するシステムもあります。メーカーや保証会社のこうしたシステムから考えて、インプラントは寿命の長い治療法であることがおわかりいただけると思います。

■入れ歯やブリッジの寿命について

では入れ歯やブリッジの寿命はどのくらいなのでしょうか。保険適用で安価に治療できる入れ歯の平均寿命は5年、ブリッジの平均寿命は8年程度であると言われています。

入れ歯の場合、骨が吸収されやすいため次第に合わなくなり、何度も調整が必要になります。

 

特に総入れ歯は顎の骨の吸収が著しく、すぐにガタガタし始めてしまいます。入れ歯安定剤などを使うことで一時的に症状は改善されますが、またすぐに合わなくなり、何度調整を行ってもすぐに落ちてしまうため、結局は短い周期で作り替えることになってしまいます。

■インプラントを長持ちさせるためには?

比較的寿命が長いインプラントですが、取り扱い次第でその寿命は大きく変わってしまいます。せっかく高額な費用を出して治療したにも関わらず、インプラントが快適に使えなくなってしまっては水の泡となってしまいます。ではインプラントを長持ちさせるためには何に気を付けるべきなのでしょうか。

・お口の中の衛生環境に気を付け、歯周病にならないようにする

インプラント治療後に最も気を付けなければいけないことは、お口の中の環境を常に清潔に整えることです。インプラント治療後に最も起こりやすいトラブルは、歯周病菌によるインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎になると歯ぐきの腫れや出血が起こり、そのまま放置するとインプラントがグラグラし始めて、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。これはインプラント周囲に付着した汚れが原因で歯周病菌が侵入し、やがて歯槽骨を吸収するためにインプラントを支えることができなくなるのです。

 

インプラント周囲炎にならないためには、お口の中を清潔に保つことが最も重要です。特に歯周病が原因で歯を失った場合、インプラント周囲炎になるリスクは非常に高いため、常にお口の中の衛生環境に気をつけておかなければいけません。

・定期的なメンテナンスを受ける

インプラントの寿命のカギとも言える歯科医院でのメンテナンスでは、家庭でのセルフケアでは落としきれない汚れを専用の器械を使って落とし、歯周病およびインプラント周囲炎を予防します。そしてインプラントや噛み合わせに異常はないかなどを確認する定期メンテナンスは、インプラントを長く使うためにとても重要です。

・健康に気を付け、糖尿病などにならないよう心がける

歯周病と生活習慣病は相互関係にあると言われており、特に糖尿病は歯周病と密接な関係にあると言われています。インプラント治療後は歯周病菌が関わるインプラント周囲炎に気を付けなければいけません。規則正しい生活を送り、生活習慣病にならないこともインプラントを長持ちさせるために大切なポイントです。

安すぎるインプラントの危険性

ドクターコラム/2018年8月27日

インプラントは自由診療のため、歯科医院により費用が異なります。一般的な相場として、インプラント1本あたり35~50万円程度と言われていますが、中には激安を謳ったインプラントが存在します。今回はこの安すぎるインプラントに潜む危険性についてご説明いたします。

■安すぎるインプラントとは?

インプラントのおよその相場が35~50万に対し、「インプラント激安!一本10万円!」というような文字を目にした場合、つい心惹かれてしまうことはありませんか。確かにインプラントは高額な治療費を必要とする治療法であり、少しでも安くできればそれに越したことはない、とお思いになる気持ちもわかります。

しかし激安インプラントによる治療を受けたことで、その後様々なトラブルを起こしてしまう危険が高いことは事実です。

■安すぎるインプラントの危険性について

相場から大きくかけ離れた安すぎるインプラントの危険性には次の二つが挙げられます。

  • チタン以外の素材による粗悪品や許可のないメーカーのもの
  • インプラント本体のみの価格提示

まず素材ですが、インプラントの素材は生体親和性に優れている純チタンまたはチタン合金のものが使われます。しかい激安を謳っているインプラント体には、チタン以外の不純物が混ぜられているものがあります。チタン以外の不純物が混ざっていると、骨とインプラント体の結合がうまくいかず、インプラントがグラグラしたり痛みを感じるなどのトラブルが起きてしまいます。

また国産のものであっても、許可が下りていないメーカーのものは危険です。国産と聞くと安心感があるかもしれませんが、許可が下りていないメーカーのもの使用した場合、何かトラブルが起きても保証があるとは限りません。名が知れたメーカーは10年保証などしっかりとしたアフターフォローがありますが、許可のないメーカーはそのような保証がない場合が多く、トラブルの原因になってしまいます。

また提示された金額が、インプラント本体のみの価格の場合が考えられます。インプラントにはレントゲン撮影やCTなど各種検査、麻酔、衛生管理や手術費用など色々な項目が含まれています。インプラント治療は、一定以上の設備や検査項目が整ってはじめて行われなければいけません。

安すぎるインプラントの場合、このような項目が含まれていないことが考えられ、インプラント治療後に様々なトラブルが起きてしまうことが予想されます。

安すぎるインプラントには必ず危険が潜んでいます。インプラントは歯科医院選びが最も重要です。激安に惑わされず、設備や環境が整っており、適正な価格を提示する歯科医院を選ぶようにして下さい。

インプラントを検討するときの歯科医院の選び方のポイント

ドクターコラム/2018年8月20日

インプラントを考えている方は、まず歯科医院選びが重要です。インプラントの成功は、のちの生活に大きく関わるため、インプラントを検討中の方にとって歯科医院選びは最大のポイントと言えます。ではインプラントにおける歯科医院選びのポイントについてご紹介いたします。

■なぜインプラントは歯科医院選びが重要なのか

保険適用の入れ歯やブリッジと違い、インプラントは保険適用外で外科手術を伴います。そのためどの歯科医院でも受けることができるわけではありません。またインプラント治療を行っている歯科医院でも、相場と大きくかけ離れた激安を売り出しているところや実績が少ないところなどは、インプラントの失敗に繋がりかねません。 高い費用が無駄にならないためにも、インプラントは歯科医院選びが大変重要なのです。

■インプラントを行う歯科医院の選び方の5つのポイントとは

ではインプラントを行う歯科医院の選び方の5つのポイントをご紹介します。

  • ・インプラントの症例や実績が豊富
  • ・説明が丁寧
  • ・費用が明確
  • ・滅菌がきちんと行われており、衛生環境が整っている
  • ・メンテナンスきちんと行う

まずインプラントの症例や実績が豊富である歯科医院であることは、歯科医院選びの第一条件です。安心してインプラントを受けるためには、あらゆる症例をこなし、経験が豊富であることが最重要視すべきことです。

患者様の現在の口腔内の状態をきちんと説明する歯科医院であることも大切です。歯科治療には患者様と歯科医師との信頼関係が必要です。インプラント手術のことばかりでなく、お口の中全体の状況がどのような状況なのか、またこのような状態になった原因などを患者様に丁寧に説明することは、インプラントの成功および健康なお口の中を維持するためにとても大切です。

費用も患者様にとって大いに気になる点でしょう。インプラントは保険適用外で高額な治療費が必要です。提示された金額に何が含まれているか、明確に説明してくれる歯科医院を選ぶようにして下さい、その費用はインプラント本体の値段なのか、検査や手術代などが含まれているかなどを明確にしておかなければ、のちにトラブルに発展する恐れがあります。 不明な点や疑問点などは納得いくまで聞き、曖昧なまま治療を受けないようにして下さい。 信頼のおける歯科医院は、費用の内訳について細かく説明してくれます。

滅菌がきちんと行われ、衛生環境が整っていることも大切です。インプラントは外科手術を伴うため、細菌感染に気を付けなければいけません。特に歯科治療は血液や唾液が付着してやすいため、滅菌対策がずさんな状態では細菌感染の恐れがあります。

患者様ごとに紙コップやエプロン、手袋を交換することは当たり前です。また歯を削るタービンなどがユニットに差したままでないこと、スタッフが手袋をつけたままあちこち触っていないことなども衛生管理がきちんと行われているかどうかを見極めるポイントです。

最後にメンテンナンスがきちんと行われる歯科医院であるかどうかが歯科医院選びの大きなポイントです。インプラント手術のあとに気を受けなければいけないことは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは歯周病に似た症状で、インプラント周囲の歯ぐきが腫れたり出血したりする症状です。そのままにしておくと歯周病菌によって歯槽骨が吸収され、インプラントがグラグラし始めます。最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまい、状態によっては再手術が困難なケースもあります。

インプラント周囲炎を防ぐためには定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを受けることで、インプラントが快適に使えているかどうかを確認し、お口の中の健康を支えます。このように、インプラント治療後のメンテナンスに力を入れていることも、歯科医院選びの基準のひとつです。

■インプラントの成功は歯科医院選びから

インプラントをお考えの方の歯科医院選びのポイントについてお話しました。 インプラントは入れ歯やブリッジにはないメリットをたくさん持ち合わせた治療法です。その反面歯科医院選びを間違うと、あとで後悔する可能性も否めません。 ご紹介したポイントを参考にして頂き、信頼のおける歯科医院を選ぶようにして下さい。

奥歯のインプラント治療の注意点・費用、メリットとデメリットを解説

ドクターコラム/2017年3月27日

奥歯は食事をする上で大きな役割を果たします。
奥歯を虫歯や歯周病などで1本抜歯した場合の治療は、インプラントやブリッジが考えられます。
2本や3本失ってしまった場合にはインプラントか部分的な入れ歯という選択肢があります。それぞれの治療にどの様なメリット、デメリットがあり、費用の面はどの様になっているか比較してみました。

奥歯のインプラント

奥歯をインプラントにするにはまずレントゲンやCTなどを撮影して骨の状態を確認していきます。
インプラントは人工歯根を骨の中に入れて、それを土台にして被せ物をしていく治療なので、骨が少なくなってしまうと支えが無くなってしまってインプラントの定着が良くないですし、場合によっては治療が難しい場合もあります。

骨は歯が無い期間が長いと刺激が無く、少なくなってしまったり、歯周病がひどい事によっても減っていってしまいます。
インプラント治療を希望される際には、どの様な骨の状態か確認してから治療計画を立てる必要があります。

奥歯のインプラントの治療の際にはブリッジに比べ、一定期間治療期間が必要になってきます。
個人差はありますがインプラントの手術をして、インプラントが骨に定着するまでに3か月から6か月程度かかると言われています。

またその後も歯茎の中で定着を待っていたインプラントを切開して土台となる準備をしていったりする期間はあります。
毎週通うわけでは無く、定着を待つ間はクリーニングや状態の確認などで来院していただく程度ですが、ブリッジに比べると手術をしてインプラントを入れるので、期間は長くかかってきます。

周りの歯を削る必要はありませんし、周りに負担をかけること無く、以前使っていた歯の80パーセント程度の噛む力も回復すると言われているので、メリットは大きいですが治療期間は一定期間かかってきます。

状態によっては仮歯の状態にする事が出来ますが、治療期間中はお食事の際にも気を付けてお食事して頂いたりする必要があります。

奥歯のブリッジについて

奥歯のブリッジは、無くなってしまった歯の左右の歯を削って、橋渡しをしてあげてブリッジにします。
通常2本の歯で3本の歯を支えていくので2本の歯には負担がかかってきます。
負担がかかってくるので、歯にダメージを与えてしまうリスクは増えてしまいます。

また、2本、3本の歯が無くなってしまった場合にはブリッジに出来ない場合もありますし、負担も大きくなってくるので、ブリッジ以外の選択肢の方が良いです。

奥歯のブリッジは保険の中でも治療する事が可能です。
保険の中で治療することで費用を抑えられるという面があります。
ブリッジは最低3本分なので、奥歯の保険の治療では銀歯にする必要があります。

下の歯などでは笑った時に見えてしまって気になってしまうという事があり、保険外の治療も選択肢に入れる事で白い材料の歯で入れる事が出来ます。

歯科医院にもよっても異なりますし、材質によっても異なりますが1本8万円から12万円程度の所が多いので、3本分だとその三倍の金額はかかってきます。

見た目には自然ですし、固定式のものなので、食事する際には大きな変化も少なく使用できると言われています。

またブリッジにする際にも左右の歯が歯周病などでグラグラしてしまったりしてしまうと支える力が不十分で治療する事が出来ない場合もありますので、注意が必要です。

奥歯の入れ歯について

奥歯の入れ歯は歯を数本失った場合でも、歯の状態や骨がどの様な状態でも作る事が出来るというメリットがあります。
ブリッジやインプラントとの大きな違いは取り外し式か固定式という事です。固定式の物に比べて安定感はやはり劣ってきてしまいます。
また、奥歯の入れ歯では食事をする際に噛む事に使用する事が多いので、食事の際に間に食べ物が挟まりやすかったり、硬い物を噛む事で歯茎に傷がついてしまう事もあります。

調整をしてあげる事で改善する事もありますので、歯科医院で状態を確認させて頂く事で食事しやすい環境に近くするは出来ますが、入れ歯が出来てすぐにスムーズに安定させる事が出来ない場合もあります。

また部分的な入れ歯については固定させる為にばねをかける必要があります。
入れ歯は保険で作る事ができますが、ばねが見えてしまって存在感があると感じる方も少なくありません。

審美性の面から気になってしまう場合にはインプラントは差し歯の被せ物とほとんど変わらず使用する事が出来るのでお薦めです。

奥歯は食事をする為に大きな役割を果たし、食事を快適にしっかりと噛んで食べる事で全身の健康状態にも関わってくると言われています。
また審美性に関しても、お口はお話する場面でもストレスになってしまうと負担になってしまうので、ご自身の希望がどのようなもので費用はどの位が希望かによってどの様な治療をしていくか相談していくと満足度の高い治療を受ける事が出来ます。

前歯のインプラントは難しい?注意点・費用、メリットとデメリットを解説

ドクターコラム/2017年3月23日

交通事故や虫歯などが原因で抜歯して、前歯が無くなってしまった際にはいくつかの治療の選択肢があります。
保険の治療では、左右の歯を削ってブリッジにする方法や部分的な入れ歯を選択する事が出来ます。
保険外の治療では人工歯根を埋め込んで、それを土台にするインプラント治療があります。
それぞれどの様なメリット、デメリットがあり、費用や注意点はどの様な事があるかまとめてみました。

前歯のインプラントについて

インプラント治療は歯が無くなってしまった所の人工歯根を埋め込んで、それを土台にしてその上に差し歯を被せていく治療です。
保険外の治療なので、費用は歯科医院によっても異なりますが、保険の治療で出来るブリッジや入れ歯に比べると高額になります。

また周りの歯を削る事無く、その部分の治療をするだけで歯を補う事が出来ます。
また入れ歯では周りの歯にばねをかけて固定するので、ばねが見えてしまって入れ歯をしているという事を周囲の人に知られてしまう事も少なくありませんがインプラント治療では、レントゲンなどで確認しないと差し歯を見た目はほとんど変わらないというメリットもあります。

また保険外の治療では素材を色々な素材から選択する事が出来るので、セラミックの素材から選択する事が出来ます。
保険の差し歯では長期間使用していると、徐々に水分を含んでしまって、変色して黄ばんで見えてしまう事があります。

セラミックの差し歯は変色はほとんど無いと言われているので、特に前歯などでは普段周りの人から見える部分では満足度が高いと言われています。

審美的な見た目の満足度が高いと言われていますが、将来的に歯茎が下がってしまった際に土台の部分が見えて来てしまう事があります。
その際には歯茎の境目が黒ずんで見えてしまう事がありますので、その点は注意が必要です。

ただ、インプラントでは、一定期間治療期間がかかってくるという点があります。
最初にインプラント体を入れてから骨に定着するまでに個人差はありますが3か月~6か月の期間が必要になってきます。

その期間毎週通わなければならないという事はありませんが、インプラントは汚れが良くないで、しっかりとケアをする為にクリーングで来院して頂いたり、状態を確認する為に数回来院してもらう必要はあります。

その後は定着を待って、歯肉の中に埋まっているインプラントを切開して土台を立てていく型取りをしたり、歯肉の状態が落ち着くまで待たなければならない場合にはその期間も必要になってきます。

その後に歯を作いくので、期間は少しかかってしまう点があります。
しっかりと噛む事が出来るので、満足度の高い治療ですが、治療期間は予め確認しておくと安心です。

また、インプラントは人工歯根を骨に埋め込んでいく治療なので、支えとなる骨が少なくなってしまうと治療自体が難しくなってしまいます。

骨造成などもする事が出来ますが、その場合にはさらに時間がかかりますし、ある程度限界もあります。
歯が無い状態が長期間続いてしまうと骨が少なくなってしまう原因になってしまうので、歯が無くなった際には早めの治療が大切です。

ブリッジと入れ歯について

保険の中で治療する事がブリッジと入れ歯は出来ます。
ブリッジは左右の歯を削って橋渡しをしてつなげてあげる治療になります。
固定式の物で使用する事が出来ますが、通常3本で支える所を2本で支えるので両隣の歯に負担がかかってきてしまいます。
将来的に負担がかかってしまった歯がダメになってしまう可能性があり、寿命が短くなってしまう事があります。
また、両隣の歯が被せ物になっていなく健康な歯の場合でも削らなければなないという事があります。
保険で治療する事が出来るので費用は比較的安く済むメリットはあります。

入れ歯の場合には大きく左右の歯を削るという事がありませんが、取り外し式の為、固定する為にばねをかける事が必要です。
ばねが見えてしまって気になってしまう事や取り外し式の入れ歯に抵抗感がある患者様も少なくありません。

また、固定式の物に比べると安定感が少し劣ってきてしまいます。
調整をする事で改善はしていくのですが、強く当たってしまって歯茎に痛みが出てしまったり以前より食事をしにくいという点があります。

また、歯茎を休める為に就寝の際には外して洗浄して寝るので旅行などに行った際に周囲の人に見られてしまう事でコンプレックスになってしまう事などがあります。

保険の中で治療すれが比較的安い金額で治療する事が出来ますし、保険外の材料の物を選ぶとばねも金属のものではない入れ歯を選択する事ができるので審美的には好評です。

インプラントや入れ歯、ブリッジにはそれぞれメリット、デメリットがあります。
患者様自身がどの様なお口の状態で、どの様な治療を希望しているかによってもお薦めする治療が変わってくるので、1度相談していただくとよりご希望の治療を提案させて頂きます。

インプラント1回法・2回法のそれぞれの違いを解説

ドクターコラム/2017年3月20日

インプラントの手術の方法には1回法と2回法の2つがあります。
患者様の状態によってどちらが良いか選択していくのですが、それぞれの違いはどの様な所にあるのでしょうか?
インプラントの外科手術の歯肉の切開を1回で行うか2回かの違いがあります。
1度で済むのであれば1回法が良い様な気がしますが、それぞれに特徴があります。
2つの違いをまとめて比較してみました。

インプラント1回法について

インプラントの1回法は、インプラント手術を行った際にインプラントの一部を歯肉の上に出しておき、骨との定着期間を待ったのち、上に歯を作っていくという方法です。

1回法のメリット

メリットとしては歯肉を切開する必要が無いので、患者様の負担が少ないという事です。

ただ、骨が十分にあって定着の状態が良い事が条件になってくるので、どの患者様も可能な方法というわけではありません。
2回法に比べて、歯肉の中で定着を待つ事によって食事などをした際に汚れが付いたりする事が無く、感染のリスクが多少あると言われていましたが近年ではインプラントの定着に大きな差が無くなって来ていると言われているので、心配が少なくなっていると言われています。

その他では、GBRなどの骨再生をする際には2回法に比べると少しリスクが高いと言われているので、患者様の骨の状態などを確認して決めていきます。

GBR法についてはこちら

1回法で使用するインプラントにも種類があり、アバットメントと呼ばれるインプラントと歯を固定する為の支台が一体型のものと、インプラントと支台が別々になっているものがあります。
一体型だと強度に優れている点やインプラントに直接人工歯をセットするので、手術の時間を短縮する事が出来るなどのメリットがあります。

1回法のデメリット

デメリットとしては、人工歯の形態を取り換える事が出来ないという事があります。
インプラントと支台が別々の物に関しては、清掃性が高い事があげられます。
デメリットとしては、粘膜が厚いケースであったり、審美性を重視する場合には2回法の方が良い場合もあります。

インプラントの2回法について

2回法の特徴としては、インプラントを骨に埋め込んで定着するまでの間、歯茎の中で待つ事です。

感染のリスクはより少ないと言われていますし、骨が少ない場合にも適応する事が出来るので、インプラントの治療をする患者様のほとんどに治療する事が出来ます。
また感染のリスクが大きい口腔内の患者様では1回法より、2回法の方が適していると言われているので、その辺の判断もしながら決めていく事もあります。

インプラントも患者様の歯と同じで歯肉の周りに歯石や細菌が付いてしまうと歯周病の状態になってしまってインプラントの持ちが悪くなってしまったり、ひどい場合にはご自身の歯を同様にグラグラしてしまう原因にもなってしまいます。
自宅でのプラークコントロールもとても大切なので、インプラント治療する前にクリーニングや自宅でケアをしっかり行う事が出来る様にブラッシングの仕方なども行っていきます。

2回法のメリット

1回法は工程も2回法に比べて少ないですし、部品も少ないという点から費用を抑える事が出来るという点があります。
また、歯肉を切開する必要が無いので患者様の負担も少なくて済みます。

2回法のデメリット

人工歯や仮歯が入るまでの期間が1回法に比べて長くなってしまうという点もあります。

どちらが適しているかは患者様次第

インプラントの術式は患者様の骨の状態や口腔内の状態によってドクターが判断して決めていきます。
どの治療にもメリットデメリットがありますが、インプラントは外科手術なので、治療計画の際に気になった事などは確認しておくと、ご自身にしっかりと合った治療を選択する事が出来ますし、満足度も高くなってきます。

インプラント治療は保険外の治療なので、その歯科医院によっても、メーカーが違ったり、使っているシステムが違う場合があります。

その歯科医院に通っている間は対応する事が出来ても、転居しなければならない場合や歯科医院に通う事が難しくなってしまって、転院しなければならない場合など、一般的の普及しているインプラントかどうかを確認しておくと安心です。

またインプラントのメーカーが違う場合にはパーツや器具が合わない場合もあるので、中を確認したい場合でも難しくなってしまう事があります。
インプラント治療をする際には自分がどのメーカーのインプラントか把握しておく事も大切です。

治療に関してもどの様な治療なのか分かっておくだけで不安感は大分解消されます。

インプラントは手術をして終わりという事は無く、定期的に検診をして、噛み合わせに問題が無いかや、汚れに弱い面があるので、しっかりとしたクリーニングをする事も大切です。定期的に確認する事で口腔内の環境も良い状態が保てますし、何か不具合があった場合にも小さなうちに解決する事が出来るので、メインナンスはとても重要です。

医療費をローンなど分割で支払っても、医療費控除は適応出来る?

ドクターコラム/2017年3月16日

インプラントや矯正治療、セラミックの治療などでは、保険外の治療なので、医療費をローンで支払う事が可能な歯科医院も増えてきました。
医療費が高額になった場合には、年間所得によって医療費控除をする事が出来ます。
医療費をローンで支払った場合には医療費控除が適応する事が出来るのか、そしてどの様な手続きになるのかまとめてみました。

医療費控除とは

医療費控除とは1月1日から12月31日までの1年間で年間の世帯支払額が10万円を超えた場合と年収200万円未満の方は所得に対して5パーセントの医療費を支払った場合に税務署で申告して、収めた税金の1部が還付される制度です。
その年に申告をし忘れてしまっても、5年前までさかのぼって申告する事が出来るので、医療費の領収書は保管しておくと良いです。
医療費控除の対象には医療用のローンを利用した場合でも対象になります。
歯科のローンの場合には、信販会社が立て替えた金額がその年の医療費控除の対象となってきます。
その場合の申請書類としてはまだ領収書が無い場合があるので、医療費控除を申請する際の書類として契約書の写しを添付して申告する必要があります。

医療費控除の対象

医療費控除の対象となる治療は色々なものがあります。
保険内の治療が医療費控除の対象と思われがちですが、保険外のインプラントやセラミック、入れ歯なども対象になってきます。
矯正治療に関しては、噛み合わせに問題がある場合と診断された時にのみ適応が可能ですが、歯科医師の診断書があれば医療費控除の対象になってきます。
また、歯科医院に通う際の交通費(バスや公共交通)も含まれますし、通院が困難な場合には、タクシーの領収書も対象になります。
公共交通期間は領収所が無い場合もあるので、乗車区間と日付のメモでも認められます。
また保険治療の際の虫歯治療、歯周病の治療、親知らずの治療などももちろん対象になってきます。

医療費控除のメリット

医療費控除のメリットとしては、まず還付金が返ってきます。
還付金額は年収別に税率が決まってくるので、その家庭によって違いますが、200万円以上の世帯年収の場合には、例えば50万円医療費がかかった場合には、翌年の住民税が40万円控除されます。
その他に還付金は40万円×5パーセントから33パーセントの税率で計算された金額が返還されます。
医療費控除を申請してから約1か月程度で還付金が返還されます。
医療費控除をすると還付金が返ってくる事以外に、その他に翌年の住民税に影響がある場合があるので、医療費控除は申告した方がお得です。

医療費控除の手続きについて

医療費控除には必要な書類があるので、予め知っていた方が医療費控除の申請をしやすいです。

・医療費の領収書

・診断書

・医療ローンの契約書の写し、信販会社の領収書(医療用のローンの方のみ)

・源泉徴収票(会社員の方)

・印鑑(税務署で行う方)

・確定申告書

が必要になってきます。

また申告する方法はe‐Taxや住民票の税務署、郵送の場合には住民票のある税務署宛てに郵送で申告する事も可能です。

申請時期は毎年2月16日から3月15日の確定申告の時期に決まっています。
1か月の申請期間がありますが、予め高額になりそうであれば準備をしておくとスムーズに申告する事が出来て良いです。
また、申告の時期に間に合わなくなってしまってもさかのぼって5年まで申告する事は可能です。

医療費控除のポイント

単身赴任などで住まいが違っている場合でも生計が一緒であれば医療費控除の対象になってきます。
また共働きなどで扶養の範囲から外れていても、医療費控除の対象になるので、しっかりと領収書を保管しておくと良いです。
還付金は年収別なので、年収が高いほど還元率が高くなっています。
歯科の領収書だけでは無く、交通機関などの交通費も申告出来るので、日付や区間などは時間が経ってしまうと忘れてしまって申告しないでしまう事もあるので、家計簿やノートなどに医療費控除用にまとめておくと、申告の時に分かりやすいです。

インプラントを数多く扱っている歯科医院や矯正の歯科医院では医療費控除の事を相談すると教えてくれる所もあるので、治療計画を立てる際などに医療費控除の事を確認しておくと安心です。

保険外の治療によってインプラントやセラミック、色々な材質の入れ歯など選択肢も沢山増え
てきました。医療用ローンも使用する事が出来るので、出来るだけ患者様の希望の治療を選択出来る様に歯科医院も色々相談に乗ってくれる様になっています。
保険外の治療が高いからあきらめてしまうと考える前にどの様な方法があるか確認して検討してみると満足度の高い治療を受ける事が出来ます。
またお口の環境は食事の際やお話をする際の審美性、毎日の事で長く付き合っていく事になるので、長い目で見てどの様な治療が良いのか選択してあげるとストレスの少ない口腔内の環境を整えてあげる事が出来ます。

All on 4(オールオン4)と総入れ歯を徹底比較

ドクターコラム/2017年3月13日

最近ではインプラント治療を行っている歯科医院も増えてきました。
歯が複数本無くなってしまうと入れ歯にするしか無かった選択肢が増えてきています。
そんな中でインプラント治療の中でオールオン4と呼ばれる方法と総入れ歯ではどのように違いがあるのか比較してみました。

オールオン4とは

オールオン4とはインプラントの方法のひとつです。

通常インプラントは全く歯が無い状態では、14本の歯を入れるのに対して10本から14本のインプラントを入れてその上に歯を作っていくという方法が多く用いられてきました。
オールオン4とは10本から12本の歯を4本のインプラントで支えて固定式の歯を上に被せていく治療法です。

オールオン4のメリット

アメリカなどで普及してきた方法ですが、インプラントの角度や骨の量によって手術が難しかったり、技術が必要になってきますが、1本に対して1本埋め込むのは、本数が多い事で治療費が高額になってしまうのですが、インプラントの本数を抑える事で費用の負担を減らす事が出来ます。

また手術後に仮歯を装着して使用する事を基本としているので、見た目に対するストレスは少ないと言われています。

デメリット

どんな治療にもメリットデメリットがありますがオールオン4にもデメリットがあります。
まず治療をする為には骨の量が一定量必要という事です。

インプラント治療は人工歯根を骨に中に埋め込んでそれを土台として歯を被せていく治療です。
骨の量がしっかりとあればあるほど、安定感が増します。

逆に骨が少ないと安定感が少なくなってしまうので、定着が良くないという面があります。ある程度骨を移植したり造成したりする事もできますが、限界もあります。
長い期間歯が無いまま過ごしてしまうと骨に対する刺激が少なくなってしまって骨が減少する原因になってしまいます。
また、歯周病の原因である歯石が長期間付着している事が原因で骨が減ってしまう原因にもなってしまいます。

歯が無くなった際には早めに治療してあげる事が選択肢を狭めない事にもなります。

費用について

またオールオン4は保険外のインプラント治療なので、通常の1本に対して1本埋め込むインプラントに比べると費用を抑えられるという面はありますが、やはり費用はかかってきます。

また、インプラント治療は外科手術になるので、術後少し腫れや痛みが出る事はありますがあまり長く痛みが続く場合には早めに受診する事が望ましいです。
インプラント手術の失敗によってしびれがでてしまうなどという事はゼロではありません。

価格も大切ですが、しっかりと設備が整っていて経験がある先生の所で治療すると安心感があります。

総入れ歯とオールオン4の比較

 

総入れ歯のメリットの大きい部分は保険の中で治療をする事が出来るので費用を抑えられるという事です。
また骨の量に関係なく、治療をする事が出来るので、どの患者様でも治療をする事が出来ます。

総入れ歯にもデメリットがあります。
固定式では無く取り外し式なので、安定感はオールオン4に比べると劣ってしまいます。
入れ歯も調整する事で患者様のお口の中に合う様にしていきますが、硬い物を噛んだり、汚れが挟まったりする事で歯茎が腫れてきてしまったり、痛みが出てきてしまう事があります。

歯茎に傷みがあると入れ歯が当たってしまって食事する際にも大きなストレスです。
オールオン4は固定式なので、噛む力もかなり回復する事ができます。

また入れ歯は安定感が少し欠けてしまう点があるので、食事の際に浮いてしまったり、話している際に動いてしまったりする事で周囲の人に気が付かれてしまう事がストレスになってしまう事があります。

オールオン4は固定式なので、通常の差し歯と同じ様な感覚で過ごす事が出来ますし、保険外の治療なので、セラミックを選択する事も出来るので、色や形などもデザインする事が出来ます。
入れ歯では上唇にしわがよってしまうなど老けた印象になってしまう事もありますが、オールオン4ではそのような事はありません。

またオールオン4は骨にインプラントを埋め込んでいるので、骨に刺激がありますが、入れ歯は骨自体には刺激が少なくなってしまうので骨が痩せてしまう原因になってしまいます。

また入れ歯では食事で柔らかい物ばかり食べてしまうと脳への刺激が少なくなってしまうので、認知症のリスクが高くなってしまうなどのデメリットがあります。

お口の中の健康は全身状態にも関係してきます。
どの様な治療を選択するかは患者様のお口の状態や希望によっても異なってきます。

治療にはメリットデメリットがあるので、比較をした上で納得して治療すると満足度の高い治療を受ける事が出来ます。
気になっている治療がある場合には歯科医院で相談してみると疑問を解決する事が出来ます。

歯科の治療は保険外の治療も普及して色々な選択肢が出てきました。
1人1人のオーダーメイドの治療を受ける為にしっかりと治療計画や相談を出来ると安心です。

インプラントの手術ってどんなことをするの?

ドクターコラム/2017年1月17日

インプラント治療は現在、もっとも安定性の高い義歯治療として世界中で広く行われている優れた治療法の一つです。
しかし、インプラント治療は手術という外科的な処置を伴う治療法である為、どうしてもインプラント治療を敬遠してしまう患者様がいるのもまた事実です。

そこで今回は、「インプラント手術ってどんな事をするの?」について詳しく解説させていただきます。

インプラント治療の流れについて ①-治療前の審査・診断と前準備-

1-1.インプラント治療では歯科医師と患者様とのカウンセリングをまず最初に行います

インプラント治療を希望される患者様が歯科医院に来院した場合には、まず最初にこれまでの虫歯治療や歯周病治療の有無、糖尿病や心臓、脳の血管系の疾患があるかどうか、また喫煙習慣があるかなどを詳しく問診票に記入していただきます。

その後、インプラント手術を担当する歯科医師により患者様とのカウンセリングに入らせていただき、患者様が希望するインプラント器具の種類をお尋ねしたり、ご希望の治療法についてお選びいただくなど、出来る限り患者様のご希望をインプラント治療に反映させる為のヒアリングを同時に行います。

1-2.歯科用レントゲンやCTを使いお口の中の状態を撮影します

歯科医師とのカウンセリングで患者様がインプラント治療を受ける事となった場合には、次に歯科用レントゲンや3D撮影が可能なCTを使って治療を受ける患者様のお口の中の状態を確認します。
インプラント治療で歯科用レントゲンやCTを使って患者様のお口の中を撮影する理由は、インプラント治療ではドリルを使ってインプラント治療を受ける患者様のあごの骨にインプラント体であるフィクスチャーを埋め込む為の穴を開ける必要があり、その際に患者様のあごの骨の厚みや高さがインプラント体を埋め込むのに必要な骨の厚みや高さが得られるかどうかを、事前に歯科用レントゲンやCTなどの撮影機器を使って撮影し確認しておく為です。

また、インプラント治療ではドリルを使って下あごの奥歯部分にインプラント体を埋め込む際に下あごの奥にあるオトガイ孔などの下顎神経が集中している箇所を傷つけてしまうおそれがある為、歯科用レントゲンやCTで患者様の神経経路を把握しておく事も手術前に事前撮影を行う理由となっています。

インプラント治療の流れについて ②-一次手術からメンテナンスまで-

2-1.インプラント体を埋め込む一次手術を行います

インプラント治療前の審査と診断、前準備がすべて整った後には、実際のインプラント体を埋め込む一次手術を行います。
一次手術ではまずインプラント治療を受ける患者様に麻酔を施した後、歯肉(歯茎)を切開してインプラント体であるフィクスチャーをあごの骨に直接埋め込みます。
インプラント体を埋め込んだ後は切開した歯肉を縫合して縫い合わせ、一次手術は終了となります。

2-2.治癒期間を設定します

インプラント体を埋め込む一次手術が終了した後は、あごの骨の中に埋め込んだインプラント体が患者様のあごの骨としっかりと結合する為の治癒期間を設けます。
埋め込んだインプラント体があごの骨と結合する期間は患者様のあごの骨の厚みや回復度合いの違いによって異なりますが、おおむね「3ヶ月間~6ヶ月間」の期間がインプラントがあごの骨と結合されるまでにかかる治癒期間として設定されます。
なお、治癒期間中にはインプラント手術を行った隣の歯を利用して仮歯を入れますので、治癒期間中でも歯が抜けて見えたり食べ物が噛めなかったりという事はありませんのでご安心ください。

2-3.埋め込んだインプラント体にアバットメントと上部構造となる歯を装着します

3ヶ月間から6ヶ月間の治癒期間を経て、患者様のあごの骨に埋め込んだインプラント体がしっかりと骨と結合している事が確認出来た場合には、二次手術を行います。
二次手術では歯肉を切開して埋め込んだインプラント体の頭部分を露出させ、アバットメントと呼ばれる部品をインプラント体に装着します。
アバットメントを装着した後は、歯の部分にあたる上部構造を埋め込んだアバットメントやお口の形状に合う形で作成し、上部構造をアバットメントに装着してインプラント手術は完了となります。

2-4.インプラント治療後も半年~1年に1回程度の頻度でメンテナンスを実施します

インプラントを埋め込んだ後には、治療後半年から1年に1回の頻度で通院していただき、インプラントのメンテナンスを実施します。
インプラントのメンテナンスはインプラント体を埋め込んだ周辺の歯肉が炎症を起こすインプラント周囲炎などの症状を防ぐ為には、もっとも重要となる項目でもあります。

あごの骨の厚みや高さが足りない場合には骨造成を行います

3-1.あごの骨の厚みや高さを増やす骨造成法とは

インプラント治療前のレントゲンやCTを使った撮影で患者様のあごの骨の高さや厚みがインプラント体を埋め込むのに必要な基準を満たしていない場合には、あごの骨の高さや厚みを増やす「サイナスリフト」や「ソケットリフト」、「GBR法」などの骨造成法をインプラント手術の一次手術を行う前に実施するケースもあります。

前準備から手術、メンテナンスまでを手厚くサポートします

今回は「インプラント手術ってどんな事をするの?」という質問にお答えをさせていただきました。

インプラント手術はインプラントを埋め込んで「はい終わり」という性質の手術ではなく、インプラント治療を受ける患者様のお口の状態を調べる前準備や審査、カウンセリングから、実際にインプラント体を埋め込むインプラント手術、そして手術後のメンテナンスまでが揃って初めてインプラント治療を受けた事となります。

この為、当院では患者様のそれぞれのお口の状態に合わせたオーダーメイド治療を心がけ、最後まで快適に治療を受けていただくように日々努めております。
「インプラント治療は痛い」「成功しないかも」といったインプラント治療に対する不安をお持ちの場合は、ぜひ一度当院にお越しいただき、インプラント治療についての説明を受けていただく事をおすすめします。

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